The Episode review of
■ BATMAN BEYOND■
1st | 2ndシーズンのエピソード・レビューです。タイトル横の日付はオリジナル放送のものです。(1stシーズンの内容は、左のリンクからドウゾ) グレー文字がエピソード概要。グリーンが、偏見入りまくりのコメントです。 日本版ネタも有☆ |
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2nd | 3rd |
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▼ 2nd Season 1999-2000
#14 Joyride / 空飛ぶ秘密兵器 --- 2 Oct 99 |
原子炉が搭載された、政府の最新鋭戦闘機。そのテスト飛行中に、エンジン内の温度が急上昇し、テストは中断されパイロットは機外に避難した。 偶然そこへ暴走族ジョーカーズが通りかかり、遊び心から彼らは戦闘機に乗り込んでしまう。機体回収に赴いた、開発者のプライス博士はやむなく単独で彼らを追跡することに。 高速飛行可能な「オモチャ」を手に入れたジョーカーズは、有頂天になってゴッサムシティ中を暴走していた。そんな連中の常軌を逸した振る舞いを目にしたテリーは、バットマンに変身しバットモービルに乗り込んで戦闘機を追いかける。だが最新型のスピードには、さすがのバットモービルも及ばず、逆に後ろから狙撃されてしまう事態に。 モービルを失い、またウィングまでも撃ち落とされたバットマンは、飛行能力を奪われ絶体絶命の危機に立たされるが、そこに現れた軍用機の攻撃によって間一髪救われる。プライス博士の乗った戦闘機だった。 彼女の戦闘機に同乗したバットマンは、最新兵器に発生したトラブルについて説明され、エンジンの制御カードを託される。そのままプライス博士は、機体を体当たりさせるという無茶な接触を起こし、ジョーカーズを止めようとするが失敗。 寸前で脱出させられたバットマンは、ジョーカーズが向かいそうな場所――対立する暴走族グループT'sのアジトに見当を付け、地下鉄廃駅の構内にトラップを仕掛けて待ち構える。 読み通りに、再びエンジントラブルを起こした機体からジョーカーズのメンバー達は慌てて逃げ出した。バットマンは急いで、制御カードをエンジン部に挿入しようとしたところ、その背後から機内に残っていたジョーカーズのメンバーが襲いかかる。トラブルを抱えた原子炉の危険性を訴えるバットマンの言葉に耳も貸さず、「オモチャ」に執着するだけのジョーカーズ。そこへ、連中の無謀かつ横暴な行動に愛想を尽かした、メンバー見習いの少年リーが、バットマンの窮地を救い、カードを挿入されたエンジンはようやく停止した。
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#15 Earth Mover / 地底の叫び --- 25 Sep 99 |
クラスメートのジャッキーの家で、宿題をしていたテリーとディナ。二人は、始終上の空で沈んだ様子のジャッキーの口から、彼女がストーカーに悩まされていることを知る。 ジャッキーの義父ビル・ウォレスは、ゴッサムシティでも著名な実業家。彼女の周りには多くのトラブルが多く潜んでいるかもしれないと案ずるテリー。その時、戸外に大柄な黒い人影を発見。即座に黒い影の足跡を追うと、何と塀で途切れている。塀を越えた? 塀を通り抜けた? 困惑しながらもテリーは塀をよじ登って、影の後を追う。ようやく追いついて捕まえた「そいつ」の感触は、泥の塊?! 超自然的な出来事に呆然としながらも、手に残った泥の成分分析をブルースに依頼するが、結果はただの泥だった。 翌日。ジャッキーの身を案じたテリーとディナは、ビルの車で一緒に下校する。ところが途中で激しい地震に遭遇し、再びあの泥のモンスターアースムーバーが現れ、突然襲いかかってきた。バットマンの登場で、ジャッキー親子はなんとか難を逃れる。 今度は襲われた現場の泥を分析にかけたところ、そこから産業廃棄物と見られる有毒性の化学薬品が検出された。それは、10年前に不法投棄され問題となった、ビルの経営する会社の産廃だった。 かつてビルは現在の会社を興したばかりの頃、ジャッキーの実父トニーとの共同経営を考えていたが、投棄中の事故からトニーは産廃の中に埋もれてしまう。違法行為での事故であったことから公にすることもできぬまま、せめてもの罪滅ぼしにと親友の一人娘を引き取って育てていたのが、今のビルなのである。しかし、その産廃は人体に有害なだけでなく、有機物にDNAを混在させる副作用を持っていた――例えば、泥(有機物)の中に。 ビルに真実を明かすよう迫るバットマンの傍らで、ジャッキーも同様に懇願する。あの地表を操るモンスターは、トニーが変わり果てた姿なのか? これは彼の復讐なのか? だが、そこで大地震がジャッキーの家を襲った。自分だけを狙うように仕向けるため、家から飛び出すビル。追ってバットマンも戸外に出たが、目の前で彼の乗った車が地表に呑み込まれてしまう。一方、ジャッキーだけ残っていたはずの家が忽然と地中に陥没。 体勢を立て直したバットマンはバットサブマーシブルに乗り込んで、地下水脈から地中に埋もれたジャッキーの家に向かう。ようやくたどり着いたそこには、岩盤に貼り付いた植物の根に変わり果てた姿のトニーがあった。ビルに復讐を遂げ、ジャッキーを取り戻そうとする男の妄執だけが眠る、墓場のような場所……。 バットマンはアースムーバーの攻撃を退けつつ二人を保護し脱出を計るが、進路を巨大な岩が塞いでしまう。そこに、どこからか伸びてきた無数の植物の根が岩を粉砕し、彼らは無事逃れることができた。それが最後に、トニーが娘にしてあげられることだったのかもしれない。
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#16 Splicers / 遺伝子整形の罠 --- 18 Sep 99 |
ティーンエイジャーの間で話題となっている、遺伝子整形。 動物のDNAを体に注入する、猫の瞳や爬虫類の肌など、動物の特徴である遺伝子を部分的に取り込む整形美容がファッションとして流行。元に戻すことも可能であるという触れ込みで、新しいもの好きの若者達が、遺伝子整形提唱者ドクター・キュビエの「キマイラ研究所」へ殺到している。ところが手術を受けた者が凶暴化するという統計報告もあり、世論では遺伝子整形規制への運動が進められていた。 やがてサム・ヤング検事によってキュビエが告発される日も近い頃、整形に興味を持ったディナと共にテリーはキマイラ研究所を訪れた。そこで偶然にも、街中で暴れていた遺伝子整形者の姿を目撃する。やはりキュビエは若者を遺伝子整形化させることで何か良からぬことを企んでいるのか? デートを放り出してバットマンに変身したテリーは、研究所の内部に忍び込む。遺伝子整形者とキュビエとの会話から、ヤング検事暗殺計画を知るが、悪しくも囚われの身となってしまう。 辛うじて研究所から逃れたものの、バットマンの体にはすでに吸血コウモリのDNAが注射されていた。テリーの体に浸透したコウモリのDNAは彼の肉体から精神までを変容させ、彼は見るも無惨な姿のマンバットへと変わり果ててしまうが、ブルースの調合した中和剤によって一命を取り留める。 その後のニュースで、ヤング検事の暗殺に失敗したキュビエ一味が研究所を捨て、逃亡したとの情報を得る。バットマンは中和剤アンプルを装填したガンを引っ提げ、キュビエの居所を突き止めるため、嗅覚の発達したパートナー・エースを連れて街へ飛び出した。 街外れの廃ビルに立て籠もった一味は、侵入したバットマンに中和剤を打たれ次々と正常な状態へ戻って行くが、最後に追い詰められたキュビエは、ありったけの遺伝子整形剤を自らに注射し、妖獣キマイラへと変貌。ヒトとしての理性を失った挙げ句に、炎の中で死滅した。 現場の後処理をしていたバーバラ・ゴードン市警本部長がテリーにささやく、「この仕事に見返りはないわ」。応えるテリーは、良き相棒となったエースの頭を撫でながら、それでも時には最高に嬉しいことだって見つかるのだと満足げに微笑んで見せた。
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#17 Lost Soul / 殺人プログラム --- 9 Oct 99 |
何年も前に死去したIT界の重鎮、ヴァンス社オーナー、ロバート・ヴァンスは、いまわの際に自らの魂(記憶と人格)をデジタル化し、ヴァーチャル・ソウルとして眠りに就いた。 その彼が、21世紀のゴッサムシティに覚醒する。見ず知らずの「孫」であり、家族を失って独りぼっちになってしまったボビー・ヴァンスの「肉親を恋しがる」手によって。 すでに肉体を失ってしまったヴァーチャル・ソウルのヴァンスは、自在に動ける新たな実体を求め、ゴッサム中のコンピュータネットに触手を伸ばし、己の復活を喜ぶかのように無差別に電気系統にダメージを与え、シティはパニックに陥った。やがて、街の異常を調査するために、偶然コンピュータにアクセスしてしまったバットマンのスーツ中へと潜り込むことに成功。 精密な電子回路で構成されるバットスーツは、集積されたデータの塊=ヴァンスにとって、格好のボディである。スーツが何者かによってコントロールされているとバットマンが異変に気付いた頃には既に遅く、スーツの制御が完全に不可能になり、あまつさえヴァンスは邪魔な中身であるテリーを抹殺するため、海へ向かい溺死させようとする。 危機を察したブルースはバットスーツの緊急停止スイッチを入れ、バットマンごと回収するが、スーツの再プログラミングに頭を悩ませる。大事に至る前に事なきを得たと安堵する二人をよそに、明かりの消えたバットケーブに置き去りにされたスーツは、ヴァンスのコントロールによって知らぬ間に持ち出されてしまった。 スーツが奪われたことに衝撃を受け、取り戻そうと動き出そうとしたテリーは、制止する師の言葉に、こう応えた。 「時々思うんだ。バットマンっていうのは、スーツのことなのか、その中身のことなのか」 その答えを得るために、ブルースの貸し与えた初代バットマンのユーティリティベルトを身に付け、顔を隠すためにナイトウィングのマスクを借用し、単身ヴァンス社へ向かうテリー。 一方、実体を得たヴァンスが次に起こした行動は、「生身の肉体」を手に入れることだった。自我をダウンロードするために選んだ肉体は、他ならぬ自分の孫だった。彼の脳に、己の情報をコピーし、完全復活を目論んだのである。バットマンの姿をした祖父に導かれるまま、その研究室へ招き入れられ、何も知らないボビーは肉体を乗っ取られそうになる。 そこへテリーが飛び込んできた。 バットスーツを取り戻すためには、「バットマン」がスーツに負けることなどあってはならない。バットラングやユーティリティベルトのアイテムを駆使して戦いを挑むが、常人よりも優れたパワーを発揮できるよう設計・強化されたスーツでは相手にならず、テリーはその知恵と実力だけで戦うことを強いられる。苦戦の末、研究室の設備を利用して、スーツの動きを封じ、同時にボビーをも救うことに成功した。 その身をもって、「答え」を得たテリーに、ブルースはスーツは(修復のため)休養できるが、バットマンに休養はないのだと意味深なコメントを添える。
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#18 Bloodsport / 密猟ストーカー --- 23 Oct 99 |
ゴッサムシティでも屈指の名門ホテルに訪れる宿泊客。ペントハウスを借り切った、身なりのよいその男には、ただならぬ禍々しい気配が漂っていた。まるで自然信仰のシャーマンが行う祭事のように、室内装飾をすっかり替えると、彼はおもむろに床に絵を描き始めた。黒いシミのようなその形は、紛れもなくコウモリ……。 ある夜、ゴッサム博物館に侵入者ありとの情報を得たバットマン。そこで、全身にタトゥーを施し槍を携えた、旧時代の狩人のような男に襲われ、敏捷な動きに翻弄される。その場は惜しくも取り逃がすが、翌日からテリーの身の回りで、奇怪な出来事が起こった。 バイトにばかり精を出さず、少しは家のことも手伝うように母メアリーから注意されたテリーは、彼女のキャリアアップ試験勉強会の夜、弟マットの世話を押し付けられる。夕食がてらマットを連れてゲームセンターに遊びに行くと、誰かに見られている視線を感じ、それがあの男であることに気付いた。 どうしてバットマンでなく、テリー・マクギニスであるおれを追うんだ? 周囲を巻き込むまいと、偶然出会った同級生のマックスに弟を預け、テリーはそこの場を離れるが、どれだけ逃げ回っても尾行は執拗に続けられ、ブルースに協力を求める。ようやく尾行を振り切ってバットケーブに逃げ込むと、ブルースはテリーの全身にトレース用の粉末が付着していたことを指摘。おそらく博物館で対峙したときに、投げつけられた爆発物に仕込まれていたものだ。 あいつは一体何者なんだ? 何故、バットマンを狙ってくる? ICPO(インターポール)のデータバンクにアクセスした情報によると、男の名前は、ストーカー。世界各国に指名手配されている、密猟者だ。数年前、狩りの中で猛獣に襲われた彼は瀕死の重傷を負った。命を取り留めるために、損傷した背骨からその周辺部位をサイボーグ化し、無敵のハンターとして甦ったのである。重傷を負わせてくれた黒豹への復讐も遂げ、もはや世界のどこにも自分の狩り=ゲームの対象になるものがないと諦め始めた頃、ストーカーはバットマンに狙いを定めた。新たな狩りのターゲットとするために。これは彼にとって、ビッグゲームにしか過ぎないのだ。 粉末を除去したテリーは、マットの待つゲームセンターに戻るが、時すでに遅し。ストーカーはマットを誘拐していた。 弟を救うため、ペントハウスに向かうバットマン。そこには多くのトラップが仕掛けられていたが、隙を見てストーカーの背骨に電撃を与えることに成功。サイボーグ体である彼は、電撃によるショックで視覚機能障害を起こし、バットマンのシルエットを、かつて自分を襲った黒豹だと錯覚し、錯乱状態のままテラスから線路上へ落下。そこへ列車が急接近し、ストーカーの姿は消え去った。 無事自宅に戻ったマットは、間近で見たバットマンの活躍に興奮さめやらぬ様子。事件の経緯を聞かされ、蒼白になるメアリーをよそに、 「バットマンはチョー格好良くて、すごいんだ。テリーみたいにノロくないんだよ〜」 「そりゃあ、おれとバットマンと比べるなんて大間違いさ!」
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#19 Hidden Agenda / 暴かれた正体 --- 16 Oct 99 |
テリーの同級生・マックスは、クールなリアリストで優等生。 GAT(校内試験)での成績も、常にパーフェクト。 女子でありながら、ことにコンピュータに関する分野においては大得意で、目下バットマンの正体を探り当てるための検索プログラムを作成中。バットマンの姿形、特徴などのデータを照合すると、ハミルトン・ヒル高校の関係者では?と目星を付けているらしい。そんな内容を説明されたテリーは、肝を冷やす。 ある日、マックスが今回のGATで首席を飾ったことを、快く思わない生徒が現れた。次席のカーターである。彼は表面上、周囲に認められた優等生でだったが、厳格な母親に首席以外はクズだとののしられるような家庭に育ち、その反動が私生活をもねじ曲げていた。 それからというもの、マックスの身の回りでは、不可解な事件が起こり始める。ロッカーに悪戯されていたり、学校のあらゆる壁にジョーカーズの落書きを見つけたり。放課後、遅くまでお気に入りのコンピュータ室に残っていると、改造された清掃用ロボットが洗剤でなく強酸を吐き出してくる始末。これもジョーカーズの、度が過ぎた悪戯? 何者かに操られた複数のロボットに追いつめられたとき、バットマンが現れ窮地を救ってくれた。それは本当に一瞬のことで、マックスには確かめようもないことだったが、間違いなくバットマンだ! 急いで辺りを探すが、諦めてコンピュータ室に戻ると、遅い時間にもかかわらずテリーが現れた。 周囲の惨状を見てマックスを心配してくれるが、どうしてこんなタイミングに不自然にテリーが現れるのか? しかも彼はこんな危険を冒してまで、深夜の学校に居残るべきじゃないと警告する。そのとき不意に、マックスの中に疑念が生じた。 どうしてジョーカーズは私を狙うの? 私が学校に居ると困ることがあるから? そして思いついた先が、バットマンの捜索プログラム――もともとはハミルトン・ヒル高校の関係者で、表の人格とバットマンとしての人格の、二重生活を装える可能性を持った人物を割り出すプログラムだ。これを使えば、今夜の悪戯を仕掛けたジョーカーズの正体を暴くことも不可能ではない。 そして得られた二重生活の可能性がある人物の一覧には、あろうことかテリーの名前がリストアップされていた。ショックを受けながらも、彼に会って、正面から問い質すべきだと判断したマックスは、テリーにメールを送信。 「私はあなたの秘密を知っている」 急いでテリーを呼び出した公園に向かうマックス。しかし、そこで待っていたのは、ジョーカーズだった! リーダーのターミナルをテリーだと勘違いしたマックスだったが、彼は意味ありげに鼻先で嘲笑うばかり。やがて、誰も助けは来ないと居丈高に哄笑するターミナルが銃を構えると、「おれがいるさ!」とマックスをかばうようにバットマンが現れた。抵抗するジョーカーズを一網打尽にすると、ターミナルのメイクがはがれ落ち、カーターであることが判明した。警察が駆けつける騒ぎに乗じて飛び去るバットマン。その時、マックスは彼の正体を見破ったのだった。 翌朝、学校で会ったマックスは、テリーの正体を暴露。覚悟していたことだとはいえ、弱り果てるテリーに、彼女は相談役になってあげると快く申し出た。
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#20 Once Burned / 恋の残り火 --- 6 Nov 99 |
賭ポーカーというアンダーグラウンドなゲームがある。ゲームと賭博の好きなマフィアの連中が、それぞれ盗品を持ち寄って、ポーカーで賭事をする違法の遊び。その会場に、ロイヤルフラッシュギャング(RFG)の10が現れた。煙幕とともに乱入すると、カードテーブルの上に積まれた金品の数々を根こそぎ強奪したのだ。金持ちが暇つぶしに遊んでいるわけではなく、相手は暗黒街の人間である。当然、報復行為に及ばぬはずはない。連中はガードマンのみならず自らが銃器を取り、逃走する10の足を止めた。 派手な銃声にパトロール中のバットマンも騒ぎを聞きつけ、現場に急行する。そこにはフライングカードのエンジン部に被弾し、逃げ場を失った10がうずくまっていた。一度は逮捕されたというのに、更正しない彼女の態度に眉をひそめるバットマンだったが、彼女は望んでやった犯罪ではないと反駁する。 バットマンの機転で、10はその場を逃げおおせる。その後、彼女はメラニー・ウォーカーの姿に戻って、テリーのもとを訪れた。今の状況ではどこにも逃げ場がないことと、以前の過ちを謝罪したかったから。 一方テリーは、かつての恋に破れ傷ついたことと、バットマンとしての自我が彼女を容認するわけにはいかぬまま、突き放そうとする。が、メラニーの家族RFGがジョーカーズに捕らえられ、莫大な身代金を要求されていることを知り、態度を軟化。単身家族を救おうとするメラニーに協力し、改めて彼女に途を誤らせてはならない、と独断で彼女を助けることに。 日が落ちて、再びマフィアのカード会場を襲おうとする10を、バットマンが制止した。強盗を犯して身代金を作るくらいなら、捕らわれているRFGたちを自らの手で救い出せばいいのだ。 10に促されるままジョーカーズのアジトに向かい、連中が監禁されている場所を探る二人。いざ中へ乗り込もうとした時に、10は一通の手紙をバットマンに渡した。宛先はテリー・マクギニス。彼女なりに、もうテリーに会う心づもりがないのか、その内面までは判断できぬまま、バットマンは手紙を受け取る。 「大丈夫よね、あなたはきっと中身を読んだりしないわよね?」――そう。宛名はテリー。この手紙はテリーしか読まない。そして今の彼は、バットマンだ。 二人でアジトに乗り込むが、中にRFGが捕らわれている気配はない。謀られた? 気付いた時には、すでに背後にいたはずの10の姿はなく、ジョーカーズに囲まれたバットマンはブルースがリモートコントロールするバットモービルに救われ、難を逃れる。 あれほど10に関わるなと師に警告されたというのに、彼に嘘をついて10を助けた。ディナにも嘘をついた。周囲を騙した自分が、10に騙されたことは必然である…。 同じ頃、10はカード会場を急襲し金品強奪に成功。その足で、ジョーカーズが指定してきた取引場所へ向かう。ところがそこへ現れたのは、リーダーであり父であるキング! バットマンを騙して単独で犯罪に手を染めた彼女は、家族の狂言に騙されていたのだ。ギャングの一員としての適性に欠ける10を試すために……10は自我を殺して今日まで家族のために尽くしてきたというのに、あまりの仕打ちに絶望の淵に突き落とされる。 そこへ、追い掛けてきたバットマンとマフィアの一団に急襲され、逃げ道をも警察にふさがれたRFGはあえなく逮捕される。ただ一人、独立を決意した10を除いて。 翌日、テリーはバッグの中に、未開封のままの手紙を見つける。「あなたは読まないわよね?」その10の言葉通り、彼はそのままゴミ箱へ放り投げた。
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#21 Hooked Up / 幻の愛 --- 13 Nov 99 |
厳しく冷たい現実世界に向き合えなくなった弱い心は、まやかしのVR(仮想現実)世界の中に、決してかなうことはない理想を描く。かなわない夢、かなわない想い、かなわない愛――どんなに求めても現実では手に入らないものが、VR世界では手に入れることができる。そしてその代償は……? ある夜。バットマンが見かけた街頭の引ったくり犯は、テリーのクラスメートのドニーだった。彼の様子はどこか虚ろで思いもかけない行動を起こす等、まるで精神病患者のような衰弱ぶりだ。ドニーはそのまま行方をくらましてしまったが、最近学校にもろくに顔を出さない友人をいぶかり、マックスに相談を持ちかける。すると当の彼女は、バットマンの犯罪狩りに何かと首を突っ込みたくてウズウズしていた。相談相手としては申し分ないが、その好奇心の強さにだけは閉口気味のテリー。彼女との最小限の協力関係を認めてもらえるようボスの判断を仰ぐが、これは即座に却下されてしまう。 バットケーブで、このところ頻繁にシティ内で発見される脳障害患者のレポートを見ていたテリーは、不意に連中のケースにドニーの症状を重ね合わせる。マックスに深入りさせない程度に、ドニーの家まで案内してもらってそこで終わりにしようと考えていた矢先、ドニーのクレジットカードが頻繁に使われていたゲームセンターにて、仲間と一緒にいる彼の姿を目撃した。ドニーは今、最新VRマシンに夢中なのだと、さも自慢げに語ってはいたものの、端から見ても健康を害している様子が見て取れた。 テリーの制止も聞かずに、マックスはドニー達の仲間に誘われるまま最新VRマシンとやらを試しに行く。間もなくテリーはドニーの仲間達を締め上げて、彼らを虜にしているVRマシンの設計者がスペルバインダーである事実を突き止めた。 数日後。バットマンが捕まえたカード強盗は、なんとマックスだった! VRマシンの見せる仮想世界の中毒になってしまったマックスは、与えられる理想の夢と引き替えに、クレジットカードの窃盗に手を染めていた。VRマシンの見せる夢が現実になることはないのだと説得するバットマンに耳も貸さず、両親が離婚し家庭が崩壊した苦い現実から逃れるため、マックスは暖かい家庭の夢を求め続けた。 ところがこのVRマシンには明らかな欠陥があり、長く使用し続けていると、有毒な脳内物質が分泌され収縮した血管がもとで脳障害を引き起こす。これまで街中で発見された脳障害患者たちは、スペルバインダーの奸計に陥れられ、中毒症状を起こした果てに棄てられた被害者だったのである。次々に被害者層を広げていくスペルバインダーを止め、マックスや他の中毒患者達を救うために、バットマンはVRマシンのあるアジトへ潜入。だがスペルバインダーと対峙するバットマンを横目に見ながら、マックスはなお架空の夢を求めてVRマシンへ向かう。すでに彼女には正気に戻るよう説得する声も届かないのか…スペルバインダーの電撃にバットマンが倒れかかった時、マックスがその背後から襲いかかった。 スペルバインダー逮捕を報じる校内のモニターを見ながら、マックスは照れくさそうにテリーに告げる。 「あのね、夢だったんだ。バットマンみたいなこと、手伝うのが」 「ふゥん……良かったじゃないか、夢がかなってさ。メデタシ☆」 葛藤の末、マックスは見果てぬ夢でなく、現実にかなえられる夢〈バットマン〉を選んだ。
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#22 Rats! / 白薔薇の孤独 --- 20 Nov 99 |
メディアを騒がす、巨大ネズミ事件。近頃頻発する誘拐事件は、そのネズミの仕業かも? そんなニュースを見ながら、ハミルトン・ヒル高校のランチタイムを過ごしていたディナは、友人たちに連日約束をすっぽかすテリーへの不満を吐露する。そこへ校内中ディナを捜して駆けずり回っていたテリーがようやく顔を見せるが、すでに彼女の堪忍袋の緒は切れていた。 「あなたにとって私なんか空気でしかないんでしょうけど、私はいつも側にいてくれる人が欲しいのよ!」 バットマンの仕事に謀殺されて、まったく恋人を省みることができなくなっていたテリーでは、繰り返す言い訳にも説得性を欠いていた。本当の事情を話せない限り、結局は嘘をついていることに変わりがない。そしてそれはディナの神経を逆撫でするばかりだった。 癇癪を起こしたディナが下校しようとすると、車のシートに一輪の白い薔薇がメッセージを添えて置かれていた。「君のそばにいるよ」――そのメッセージこそ、今一番欲していた言葉。贈り主はテリーに違いないと思い込んだディナは機嫌を直して、デートの電話をかける。最終チャンス到来とばかりに舞い込んだ誘いを、テリーは事情が呑み込めないまま二つ返事で承諾したものの……花っていったい何のことだろう? 早速、待ち合わせ場所へ出向くテリーだったが、道中ボスからのコールが。緊急事態だ。 バットマンが情報センターに入り込んだ爆破テロリスト・マッドスタンの捕獲に当たっている頃、約束の時間になっても現れない恋人にやきもきするディナ。結局、マッドスタンを取り押さえるには相当の時間がかかり、テリーは待ち合わせの時間に間に合わなかった。当然、我慢の限界を超えたディナは単身帰ろうとするが、そこに身の丈ほどもある巨大なネズミが現れた! ディナが目を覚ますと、ほの暗い床には一面の白い薔薇が敷き詰められていた。そこは、ガラクタを集める少年パトリックと、彼に付き従う巨大なネズミたちの地下の住処。パトリックは孤独な気持ちを抱えたディナを、ずっと見てきたという。そして地下で一緒に暮らしたいと申し出るが、彼の不在を突いてディナは逃亡を計る。入り組んだ迷路のような地下からはたやすく抜け出すこともできず、疲れ果てたところを再び巨大ネズミたちに取り囲まれてしまった。 翌日。無駄だと思いつつディナへ謝罪の電話をかけるテリーの元へ、彼女の父親が猛然と押し掛けてきた。昨夜から娘が帰って来ないと大変な剣幕だ。ディナが行方不明? 嵐のような訪問者が去ったあと、事態の責任は自分にあると感じたテリーは夢中でディナの行方を捜す。手掛かりになりそうな、最後の待ち合わせ場所を調査し、偶然にもその店から地下へと逃れるパトリックたちと鉢合わせた。ディナは地下にいるのか? 一方、連れ戻しても説得に耳を貸そうとしないディナに業を煮やしたパトリックは、「これまでの少女たち」のように彼女にネズミたちをけしかける。ニュースになっていた行方不明の少女たちとは、ディナのように誘拐されパトリックを拒絶したがためにネズミの餌にされてしまっていた! 彼は淋しさゆえに、片っ端らから少女たちを誘拐しては、亡き者にしていた。 そこへバットマンがディナを守るように飛来する。多くの巨大ネズミを相手に奮闘するディナとバットマン。やがてディナの放った火が、地下処理場の産廃に引火し、パトリックやネズミたちを巻き込んで地下は炎に包まれた。 猛スピードで逃れたバットマンに救われ、ディナは無事レスキュー隊に保護された。
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#23 Mind Games / 超能力少女タマラ --- 4 Dec 99 |
雷雨の夜だった。 エンジン部に落雷を受けた車をバットマンが助けたところ、その中には親子連れらしい3人が乗り合わせていた。彼らの娘らしき幼い少女は無言でバットマンを見つめ、声にならないメッセージを投げかける。 翌日。歴史のテストを受けていたテリーは、突然教室に現れた昨夜の少女の姿に目を瞠る。周囲の様子をうかがうが、誰一人として彼女の姿に気付いていない。自分以外には見えていないのだ。混乱するテリーの視界から消えない少女の幻は、壊れたレコードのように「私を助けて」と繰り返す。 日中身に起こった超常現象をブルースに相談するが、彼はまともに取り合わず生返事ばかり。そこへ再び少女が現れ、テリーに現在位置を知らせるヴィジョンを送ってきた。その時の様子から、彼女が両親と一緒なのではなく囚われの身であることを知る。 幻視で掴んだ手がかりから、ゴッサムパークタワーホテルへ向かうテリー。少女の連れである女性が外出するところを発見し、彼らの居室を突きとめると、バットマンに変身して部屋の中に忍び込んだ。しかし、そこに少女の姿はなく、待っていたのは彼女の父親だと思われた男――しかも、彼は途方もない怪力を持っていた。 結局、何の手掛かりも得られないまま、ホテルを後にしたテリーは、ブルースの協力で、記憶に残る彼女の姿から「タマラ・コールダー」の素性を調べ上げる。 タマラの実家を訪れたバットマンは、そこで娘を失った両親の姿を見た。少し前、タマラはその類まれな超能力によって、芸術と科学を専門とする特殊な学校に特待生として迎えられたが、入学以降その足取りは途絶えてしまったという。学校はタマラを手に入れるための虚像だった。 学校の理事を務める組織ブレイントラストについての調査を始めたバットマンは、タマラが招かれたという学校内部へ潜入した。建物は使用されている形跡はなく、学校の形をしている模型にしかすぎない。これといった収穫はなく、時間が経てば経つほどタマラを見つけられなくなる焦燥にテリーは苛立っていた。そこへ再びタマラから、か細い声が届く。ゴッサムを離れる船に乗せられたタマラは、自分の目で見える船外のヴィジョンをテリーへ伝えることで現在位置を教えた。 埠頭に急行したバットマンは、停泊中の船内に捕らわれていたタマラを救出。 超能力による世界支配を企むブレイントラストの一員である〈爆弾〉と〈不死身の男〉は、新たなメンバーとして加えるべくタマラを奪い返そうとするが、バットマンがこれに応戦。様々な技を弄して超能力者に挑んでみても、〈不死身の男〉は何があっても倒れない。万策尽きたバットマンを救うべく、タマラがその超能力を放った時〈不死身の男〉の目を白光が焼き貫いた。 二度と犯罪に利用されないよう政府の保護を受けることになったタマラは、笑顔を見せて両親の元へ戻ることがかなった。
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#24 Revenant / 亡霊遊戯 --- 11 Dec 99 |
ハミルトン・ヒル高校を騒がす、奇怪な連続事件。 そこに有るべきハズのものが、とんでもないトコロにとんでもないカタチで移動してたり、なんだか子供の悪戯にしては行き過ぎの気配。いつからか校内では、体育館落成前に亡くなった人気生徒、ギャリソン・ジェイコブズの亡霊による仕業ではないかとの噂で持ちきりになる。そういう話は女の子の専門だとばかりに、テリーやマックスは取り合わないが、ディナやチェルシー達は怪奇現象への好奇心から、放課後、体育館で降霊会を始めることに。通りかかったネルソンが、彼女たちの遊びをせせら笑って背を向けるが、その途端ポルターガイスト現象が体育館を襲った。椅子が倒れ、ライトが明滅してショートする! 夜のパトロールをしていたバットマンは、校内に残ったディナたちが気になって、ついに校内に踏み込んでみると、体育館が大騒ぎ。不思議なことに、浮遊する備品の数々は紛れもなくネルソン一人を狙っていた。壁が崩れ、あわや体育館が崩壊する寸前に全員無事避難したが、テリーはなぜネルソンだけが集中的に狙われたのかが腑に落ちない。これは本当に亡霊の仕業なのか? 自然現象として説明のつかない怪現象をブルースに相談するが、達観したボスは興味のない顔で相づちをうつばかり。一番怖いのは亡霊でなく、生きている人間だと話すブルースの語調に戦慄するテリー。 亡霊騒ぎの話題がマクギニス家の食卓にも上り、降霊会をして亡き父ウォーレンを呼び戻したいというマットの無邪気な願いに、メアリーとテリーは言葉を失う。会えないと忘れてしまいそうだと亡父を恋しがる幼いマットの気持ちを痛いほど察する二人だったが、メアリーは厳しく「パパは天国にいる、もうこの世に帰ってくることはないの」と諭した。この世に関われるのは、生きている人間だけ。だとすれば、あの亡霊とやらにも確かな実体があるのかもしれない。 翌日になると、女子シャワールームで怪現象発生。温度がメチャクチャのシャワーが大放出。そこに残されたメッセージには「今でもスキだ」、と。それを見つけたのはブレード……つまり亡霊からのメッセージはブレード宛? 亡霊の存在を信じ切れないテリーとディナは、事件の対象がネルソンとブレードだったことから、二人に関わる過去の関係者を調べたところ、少年院に拘留中のウィリー・ワットの名を突き止める。そして少年院に向かったテリーが見たものは、すっかり容貌も心も変わったウィリーの姿だった。 すっかり饒舌になったウィリーは、体を鍛えたことや、模範生としてまもなく刑期を終えることを話し、また学校の様子はどうかと訊いてきた。どうしてウィリーが体育館の事件を知っているのか? 鋭くテリーが質すと、かつてゴーレムの事件のときに身につけた念動力で猛威を振るい出すウィリー。その力は復讐心がそうさせたのか、更に強力なものとなり、周囲を振り切って少年院を飛び出して行った。 ハミルトン・ヒル高校では、亡霊騒ぎの余波で一時閉校となり、学生たちが次々に下校していく。そこへ現れたウィリーがネルソンへと襲いかかった。愛車を破壊され、念動力に翻弄されるネルソン。ブレードの前にも現れたウィリーだが、精神安定剤ガンを手に駆けつけたバットマンに阻止される。バットマンは精神安定剤でウィリーの暴走を止めようとするが、頼みのガンも念動力で弾き飛ばされてしまった。激闘の果てに、ウィリーは自分のパワーで巻き起こした竜巻によって失神した。 亡霊騒ぎも一件落着。マクギニス家では父親を懐かしむマットとテリーがアルバムを眺めている。「お前が忘れなければ、父さんは生きてるよ。ここにね」そう言って、ポンと胸を叩かれたマットは、父親の死を改めて受け入れることが出来た、そんな表情を見せた。
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#25 Babel / ノイズパニック --- 8 Jan 00 |
バットマンに課せられる「究極の選択」とは何か? たとえ勝算がなくとも命を投げ出せる勇気なのか? 誰に感謝される訳でもなく、理解されることもない終わりのない自警活動に、過ぎ去りし日々のブルースをを駆り立てていたのは何だったんだろう? 突然シティ中の動物たちが、狂ったように暴れ出す。エースの様子が豹変したことをきっかけに街へ出たテリーは、動物病院や動物園の異変を察知し、バットマンとなって駆けつける。被害が大きくなる前に動物たちの様子はおさまったが、まるで一過性の発作のような現象だった……ところが次には、それが人間たちにも現れた。街の各地で起こる交通事故、建築現場の事故。原因は音の異常。人々の「言葉」が人々の耳に、「言葉」として届かなくなったことに起因する。その異常現象は、まるで神に近付こうとするあまりに、その怒りに触れて言語が混乱した古(いにしえ)の街――バベルのような有様だった。言葉が通じなくなった人々は、意志疎通傷害への苛立ちから互いにいがみ合い、その心までもを歪めてゆく。 そんな収拾のつかない街中のトラブル処理に手を焼いていた市警本部長バーバラのもとに、一本の電話が……。正常な音の世界と引き替えにバットマンの命を差し出せと要求したのは、かつてバットマンに破れ、聴覚を失ったシュリークだった。 高性能補聴器で聴力を回復したシュリークは、巨大な音叉で街中の音を自在に操っている。音という目には見えないものを武器としている以上、警察も迂闊には手を出すことができない。このままシュリークの要求に従わざるを得ないのか。 バーバラからシュリークの言葉を伝えられたテリーは、その要請に応じようとするが、ブルースは猛反対。警察はいつもバットマンを頼るばかりで、助けようとはしないのか!?と激怒する。バーバラの立場を察したテリーは、二人の口論にいたたまれなくなりバットケーブを後に。 いつの間にかシュリークの要求はメディアにも報道され、市民は口々に「元凶こそはバットマン」だと唱え始めた。バットマン・シュリーク両者間の問題に我々を巻き込むなと喧々囂々の有様だった。その様子をTVで見ていたマックスは呆れながら、こんな連中のために命を犠牲にしてどうするの?とテリーに質すが、答えがわからないまま、自分がバットマンへの道を選択した原点へ足を向ける。 そこはブルースにとってのクライム・アレイにも等しい、テリーの父親ウォーレン・マクギニスが殺害されたアパートメント。あの時、おれは選んだんだ。父さんを殺した連中に復讐すること。あいつらみたいな、無法な連中を横行させまいとするために。そしてバットスーツを身につけた。あのときから、おれのもうひとつの人生が始まった……誰かのためでなく、誰かの感謝の言葉や優しい手が欲しかったわけでもなく、おれはただバットマンである自分を選んだんだ! バットマンは、ゴッサム・ヒル・スクエアにある音叉形のビルが、街の音を乱している波長の発信源だと見当を付け、シュリークの指定した刻限に現場へ到着。 勝ち誇ったように攻撃を仕掛けるシュリークに対し、対抗する術のないバットマンは衝撃波だけでなく聴覚攻撃に手も足も出ない。隙を突いて、ビル内部に侵入し巨大音叉を破壊に向かったバットマンは、そこで暴走して手が付けられなくなった制御装置を見た。 一方シュリークは、バットマンが瓦礫の下敷きになって命尽きたと思ったか、サウンドスーツのヘルメットと共に補聴器を外してしまう。そんな彼には、聞こえなかった。背後のビルが崩壊を始めている轟音が…!! ボロボロになったバットスーツを修理しながら、ブルースは手を止めて、本当に命を捨てるためにヒル・スクエアへ向かったのかとテリーに尋ねてみる。その答えをテリーは、するりとかわしてみせた。
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