The Episode review of
BATMAN BEYOND

1st    
国内で放送された1stシーズンと2ndシーズンのエピソード・レビューをメインに全話紹介していきます。ちなみにタイトル横の日付はオリジナル放送のものデス。

グレー文字がエピソード概要。グリーンが、RINKO的コメントです。一応、話数順に紹介しています。日本版ネタも有☆
2nd 3rd  

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13]

1st Season 1999

#1,2 Rebirth (1) (2) / 新たなる戦い --- 10 Jan 99

 ハミルトン・ヒル高校へ通う少年テリー・マクギニス(17)は、多少血の気は多いが、正義感&ユーモアのある高校生。そんな彼と暮らす、父ウォーレンは、同僚から預かった光磁気ディスクをきっかけに、「生体兵器開発」という企業の暗部に触れてしまう。
 その夜。エリートである父との毎度の口論から、衝動的に夜の街へと飛び出したテリーは、シティを悩ます暴走族「ジョーカーズ」との喧嘩を買って出た。ジョーカーズの追っ手を振り切ろうと郊外まで来てしまったが袋小路にぶつかり、どこぞかの私有地へ足を踏み入れてしまう。そこは、大企業「ウェイン・パワーズ(WP)コーポレーション」のオーナーである、ウェイン家所有の土地だった。テリーの目の前に現れた、一人の老人---ブルース・ウェイン。同時に、背後から迫ってくるジョーカーズの一団。
 驚くべき事に、ジョーカーズを撃退したのは、テリーではなく鮮やかな杖使いのその老人だった。しかしながら騒ぎが治まると同時に彼は心臓の発作を起こし、テリーに支えられながら巨大な邸に戻るハメに陥る。
 老人を介抱していたテリーは、偶然にも邸内で地下へ続く隠し階段に入り込み、その奥にある洞窟(ケーブ)と、ショーケースに陳列された不思議なコスチュームの数々を発見してしまう。その頃、テリーの自宅では、父親が何者かの手によって殺害されていた……。

 父親の葬儀を済ませたテリーは一人物思いに沈む。
 どうしてあの夜、家を飛び出してしまったのか?
 もし自分が居合わせていたなら、父をみすみす殺させることはしなかった。
 悲嘆にくれながらも遺品を整理していたテリーは、写真立ての中に隠されていた光磁気ディスクを発見する。その内容とは、父が勤務していたWPコーポレーション内で行われている生物兵器に関する研究資料であった。
 WPコーポレーションのオーナーであるブルースの存在を思い出し、テリーはウェイン邸へと向かうが、応じるブルースの態度は警察に任せろの一点張りで、冷淡なものだった。ここにはかつて夜の犯罪者をおののかせたバットスーツがある。彼が駆ったバットモービルがある。そして何より、ゴッサムシティの守護神バットマンその人がいるのだ。なのに、何ら手を講じようとはしない無気力な老人に腹を立てたテリーは、憤慨してウェイン邸を立ち去る。
 絶対に警察には任せない。自分の手で、父を陥れた敵を倒す---それが、父を死に至らしめてしまった自分なりの償いだった。
 思案を巡らせながら街中を歩いていたテリーの前に、一台のリムジンが停まる。WPコーポレーションのCEO(最高経営責任者)、デレク・パワーズだ。ディスクを渡して欲しいと申し出るパワーズの態度に、彼こそ父を殺した犯人であることを直感したテリーは、ディスクを宙に放り投げ、その隙に逃げおおせる。
 ディスクを奪還したパワーズは機密漏洩の危険を免れたと安堵し、早速海外の取引相手に「裏商品」のデモを始めた。窓の外で中の様子をうかがっている、黒い影に気づかぬまま。

 一方ウェイン邸では、バットケーブに保管されていた、最新型のバットスーツが消えていた。無断で持ち出したテリーに、速やかに返還を求めるブルースだったが、どうしてもパワーズの悪行を暴きたいと願い出る彼の心情に躊躇する。
 不本意ながらもテリーの所業を承認する形になったブルースは、生体兵器の取引現場を押さえ、すべてを海の藻屑と葬り去った少年に、次世代のバットマンを継承させることを決めた。かくして21世紀のゴッサムを守護するゴールデン・コンビ誕生☆



  • 「あなたなら、オレの気持ちがわかるはずだ」と、テリーが訴えてるシーンでは、白々しいタメ息をついてたのに、オイオイ、何故か日本版ではカットされてるヨ?!
#3 Black Out / 黒い滴の女 --- 31 Jan 99

 バットマンによって、自社の「商品」である生体細胞破壊ガスを浴びてしまったパワーズは、一命こそ取り留めたが、その治療のために膨大な放射線を浴び、異形の者---自ら放射線を放つ怪人ブライトへと変貌してしまう。そんな変わり果てた姿をつくろうために、24時間という期限付きの人工皮膚で全身を覆い、いつもと何ら変わらぬ生活と外貌を保っていた。

 パワーズのオフィスを訪問したブルースは、現在起こっているWPコーポレーションのライバル・フォックステキャ社の襲撃事件について問いだたす。パワーズは無論そんなものに一切関与していないと応じるが、その裏では政府からの依頼を受ける競争相手会社を潰すために、体を自由に液化させることのできる女怪人インクを雇い、関連施設の破壊工作に当たらせていたのである。
 経営陣から退いても、企業顧問として存在するブルースに対し、パワーズの心中は表面上こそ礼儀正しさを崩さないが穏やかではない。

 折しも、テリー扮するバットマンがインクの犯行現場に駆けつけるが、不定形の体を持つ敵の攻撃に翻弄される一方であり、挙げ句の果てには取り逃がす。
 バットケーブにて様子をモニターしていたブルースと話し合った結果、インクの弱点は水であることを突き止めた。ところが、すでに彼女はケーブ内へ侵入していた…。
 突如として潜んでいたインクは二人に襲いかかる。間一髪、ブルースが向けたミスター・フリーズの冷凍銃によって、瞬く間にインクは氷塊と化した。それを警察に引き渡したバットマンの影を見つめる、市警本部長バーバラ・ゴードンの眼差しには、厳しい光があった。



  • セクシー美女悪役インクが登場! 怪人形態より美女モードの方がいいよねえ、ゼッタイ(笑)
#4 Golem / ゴーレムの反乱 --- 7 Feb 99

 ハミルトン・ヒル高校の生徒ウィリーは、華やかな同級生のブレードに好意を寄せる機械工学オタク。ところが当のブレードには、彼女に言い寄る勝手放題のネルソンがいた。
 ブレードに話しかけるきっかけを掴んだウィリーを見て、敵意を剥き出しにしたネルソンは暴力を振るう。その時から無力なウィリーには、ネルソンに対する復讐心が芽生え始めた。
 後日、ウィリーは父の勤務する工事現場の作業用ロボット「ゴーレム」を無断借用し、それを使ってネルソンに襲いかかる。呆然とするネルソンは窮地に陥るが、バットマンの登場によって救われた。しかし操っていたゴーレムが送電線に衝突し、操縦していたウィリーは激しい電気ショックを受けてしまう。その夜から、彼の身に異変が起こり始めた。

 ブレードへの想いを募らせていたウィリーに、先のゴーレム騒ぎ以来ネルソンに腹を立てていた彼女がこれ見よがしにと、パーティのエスコートを申し込んできた。そうとは知らず、二つ返事で快諾するウィリー。だが会場で、パートナーを横取りされた格好になり、メンツを潰されたネルソンはウィリーを無理矢理海へ放り込んだ。
 海から這い上がり暗い復讐心に燃えたウィリーは、何のインターフェイスも用いずにゴーレムを遠隔操作で動かし始める。パニックに包まれるパーティ会場の遊園地。
 ガールフレンドのディナとともに会場に居合わせたテリーも驚き、急遽バットマンへ変身。
 息子の異変を察知して駆け付けた父親の説得も受け入れず暴走するウィリーだったが、バットマンにゴーレムを破壊され、まるで半身を失ったような強いショックに倒れてしまう。
 警察に護送されるウィリーの表情は、すでに正気の色はなく、狂気を宿していた。



  • オタク少年受難話。彼、悪くないのになー。ワカメちゃんカットなのが多少気になるしー、コントローラー付けた姿なんてサイクロップスだけどー、まァちょっとカワイソーな話。弱い者イジメはいかん!
#5 The Winning Edge / 勝利の影に --- 11 Apr 99

 バットマンとしての二重生活にもそこそこ慣れてきたように見えるテリーだったが、学校での居眠りなど、日に日に疲れが目立つようになってきた。

 ある日、ディナと一緒にホッケー部の観戦に行き、そこで奇妙な光景を目にする。選手の一人が、休憩時間を経た後、目を見張るほどに鋭いキレのあるプレーを見せたのである。不審に感じた時、ちょうどブルースから連絡が入った。
 ボスからの依頼で、深夜の強盗捕獲に向かうバットマンは、現場にて同級生でホッケー部のメンバーであるメイソンの姿を目撃。メイソンは依存性のあるドラッグ「スラッパー」の常習者だった。試合中もこのドラッグを使って、筋力を増幅させるドーピング効果を利用していたらしい。そして、強盗行為はドラッグを得るための資金調達が目的だった。
 驚くべきことに、「スラッパー」は彼だけでなくコーチをはじめホッケー部の中で公然と使われていることを暴き、バットマンは連中からドラッグを押収するが、それを家に持ち帰った際、折悪しく母メアリーに見つけられてしまう。ドラッグを所有していた息子に厳しい態度を示し、近頃の成績不調・授業態度怠慢などの理由をこじつけられた挙句、テリーは完全に信用を失ってしまった。

 一方で、「スラッパー」の成分分析結果から怪人ベインの利用していたベノムとの共通性を疑うブルース。しかし突き止めたアジトにて発見されたベインは、すでに「スラッパー」の過剰投与により廃人と化していた。では誰が、ドラッグをホッケー部の連中や学生たちに流しているのか?
 追跡の果てに、主犯格であるベインの主治医チャペルを追い詰めたバットマン。乱闘の末、チャペルはベインよろしく廃人に、メイソンらは警察に逮捕された。メアリーが抱いていたテリーへの疑惑は、機転をきかせたブルースの釈明で晴れたものの、バットマンとしての生活に慣れるまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。



  • 相変わらず盗撮が好きなブルース…。
    このヒトは正義のパトロールと称して、何でもやってるゾ。こんなヤツこそ取り締まるべきだヨ、テリー!!
#6 Dead Man's Hand / ロイヤル・フラッシュ --- 21 Mar 99

 ついにディナと喧嘩してしまったテリー。
 テリー・マクギニスとバットマンとの二重生活を続けた代償に、ディナとの関係がこじれた夜。クラブの外で言い争う二人の様子を見ていた少女が気落ちしていたテリーに声を掛けたとき、彼らの成就することのない運命の恋が始まった。

 メラニーはテリーの悩みに理解を示した。そして彼が自分に近いものだと確信する。そしてまたテリーも同じ感情を抱き、翌日も同じ場所で会うことを約束する。
 だがその翌日もバットマンとして活動していたテリーは、ゴッサムシティには逗留中の怪盗ロイヤルフラッシュ団と交戦し、メラニーとの約束に大幅に遅刻してしまった。数時間後、約束の場所には誰もいなかった。バットマンとしての職務を優先し、約束を反故にした傷みを噛みしめるテリー。ふと背後から駆けてくる足音に振り向くと、そこには懸命に走ってくるメラニーの姿があった。
 その夜、メラニーは近いうちに家族ともにゴッサムシティから離れることを告げる。別れを惜しむ二人は、再び会う約束を交わして朝を迎えた。

 今夜だけは、どうしてもメラニーに会いたい---そう願うテリーは、その夜のパトロールを辞退する意向をブルースに伝えたところ、呆れた様子でバットマンにあるまじき行為だと非難される。まったく取り合わない高圧的なボスに対し「オレに【あなた】のようになれと強制する気か?!」と怒りを爆発。ブルースとの間に溝を作ってしまうことを覚悟しながら、約束の場所でメラニーを待つテリー。しかし待てどもメラニーは現れず、テリーを訪れたのは、彼女からの一方的な別れの電話だった。
 やがて、メラニーの正体がロイヤルフラッシュ団の10(テン)だと知ったテリー=バットマンは、悩み抜いた末に、バットマンである自分を選択する。
 事後、無謀な行動をとったとブルースに謝罪するテリーは、ボスにすがるようにこう尋ねた。
「あなたにも、こんなことがあったのかな?」
「そうだな。セリーナ・カイルという女性のことを話そうか…」



  • テリーの悲恋バナシとしてファンに熱く支持されている作品。
    吹替版のメラニーはちょーっと印象が(汗) あのハスキーな低音が大人っぽくてテリーの心を惑わせたのに、日本語メラニーってばチャキチャキの江戸っ子モードで……てやんでえ?!
#7 Meltdown /ミスター・フリーズの真実 --- 14 Feb 99

 ブライトの正体を隠し続け、普通の人間を装い続けていたパワーズにトラブルが起こる。
 自身の体から放射する放射線量は増加する一方で、頼みの人工皮膚も近頃では24時間の維持が難しくなっていた。
 そこでWP研究所の新任ドクター・ステファニーは、画期的な方法を提案。DNAを複製してクローン体を作成し、そこに神経情報を転写するのだという。そうすれば理論上、ブライトの体から解放され、元通りのパワーズに戻れるはず。
 臨床実験体として、氷の世界でしか生きられない極低温体のミスター・フリーズに白羽の矢を立てる。彼女の実験は成功し、フリーズは新たな体を得て復活した。

 それをニュースで知ったブルースは、かつての犯罪者の復活に疑惑の目を向け、慈善事業に乗り出すというフリーズを監視するようバットマンに命じる。だが、改心して甦ったフリーズしか知らないバットマン(テリー)は、彼に対して疑念を抱くことはできそうにもない。

 やがて成功したかに見えた実験には影が差し、フリーズの体は常温では生きられない氷点下の世界に適した体へと徐々に変化。ひとたび変化したDNA情報は、二度と元には戻らないことが証明されてしまった。結局、この方法はブライトに適用することはできない。
 実験の失敗を知ったフリーズは研究所から逃走し、間もなくミスター・フリーズとして戻ってきた。自分をモルモットにした研究者への復讐を果たしに。
 バットマン対ミスター・フリーズ。
 そこへブライトも乱入し、研究所は三つ巴の乱闘場となる。
 ブライトを撃退し研究所を氷漬けにしたフリーズは、初めてバットマンへ、長らく死を望んでいたことを吐露する。目の前でフリーズの命が尽きることを納得できないバットマンは、なんとか彼を救い出そうとするが、それを氷壁に阻まれてしまう。自分を気遣ってくれたバットマンの優しさに触れながら、フリーズはようやく最愛の妻の元へと旅立った。



  • フリーズといえば、【サブゼロ】! 相変わらずまぶしい頭(笑)
    BEYONDでのスーツは、リニューアルされた新スーツ。カッコイイ。ちょっとしか出ないのが勿体ないのぅ。
    この回、ブライトの初バトル。なかなか敏捷な動きで、侮れませんゾ。
#8 Heroes / 破壊されたDNA --- 21 Feb 99

 ゴッサムシティに、新ヒーローが登場! その名はスーパートリオ
 元々は物理化学者だったが、粒子融合実験中に浴びた放射能が原因で、異形の姿に生まれ変わり、特殊能力をそなえたヒーローたち、マグマ・フロン・二次元マン。政府も彼らを支援し、彼らの超人的な働きで、バットマンのパトロールは必要ないように見えた。

 世間は彼らをヒーローと呼ぶ。
 けれども、ある事件で救ったはずの少女に、異形の姿を恐れられたマグマの心には、ある疑問がわだかまった…。

 一方、スーパートリオを支援するホージス率いるBR研究所では、ある調査結果が明らかになっていた。徐々に3人のDNAは崩壊を始め、やがては精神にまで異常をきたすという。その報告を受けた軍は急遽、連中を処分する立場へと変わった。
 軍に追いつめられたスーパートリオは、自分たちを陥れようとしている旧友ホージスに襲いかる。一連の動きを監視していたバットマンは、そこで元同僚達の心の闇を垣間見た。スーパートリオはホージスに報復するため、かつて実験中に暴走した粒子融合炉をもう一度始動させるという。
 今度暴走したときこそ、ゴッサムシティまで巻き込まれる惨事になる!
 制止に入り、説得を始めたバットマンに「あなたはヒーローじゃないか!?」と問われるが、それに応じるマグマは淋しく冷笑する。「単なる事故の結果だ。望んでこうなったわけじゃない…」
 すでにDNA崩壊の始まっていた3人は、自滅に近い形で次々に消滅していった。
 街中からヒーローと讃えられた男は、自分の意志でヒーローになったわけではないと否定した。果たして自分は、どちらなのか…「バットマン」になって間もないテリーの心に一点の波紋を残し、ヒーロー「スーパートリオ」は消えた。



  • スーパートリオ(←日本語版限定ネーミング)の登場に、お役後免になったと割り切ってみせるクールなテリーだけど、ゴッサムのヒーローとしてのお株を奪われた点に関しては、しっかりスネていたところがキュート☆
    ちなみに現在はカッコイイことを「cool」と云うけど、60〜70年代は「terrific」と云ったんだそーな。
#9 Spellbound / 幻想の怪人 --- 1 May 99

 テリーのクラスメート・チェルシーが、自宅の高価な美術品を川に投げ捨てるという奇怪な事件を起こした。彼女は、目玉を操る謎の男に操られたのだと釈明するが、根拠のない話を周囲は信じようとはしない。

 数日後。パトロール中のバットマンの目の前で、オークションハウスの支配人ディーキンズが精神錯乱を起こし、有名デザイナー・オードリィのドレスを怪人スペルバインダーに奪われる。
 二つの事件の共通性を探るテリーは、列席していたウェディングパーティの中、偶然にも会場にスペルバインダーの姿を発見した! スーツアップして彼を追ったバットマンは、催眠術を操るスペルバインダーの術中に陥り、正気を失ってしまう。

 ターゲットにされた被害者は皆、高価なコレクションの所持者であり、それらを奪われる直前には精神錯乱を起こしているということ。
 そしてついにテリー自身が正気を失い、ウェイン邸内の美術品を持ち出そうとしたとき、情報分析をしていたブルースは、スペルバインダーの正体がハミルトン・ヒル高校の精神分析医アイラ・ビリングスであることを確信。ビリングス医師はカウンセリングを装って、生徒たちの自宅や行動範囲内にある金目のものに関する情報を収集していた。
 ウェイン邸の外で、テリーが持ち出してくるはずの収穫を待ち受けていたスペルバインダーは、代わりに現れたバットマンの姿に驚愕する。
 繰り出される幻惑術に翻弄されるがままのバットマンだったが、ビデオモニターを通して指示を下すブルースの支援を得て、術に打ち勝ち、スペルバインダーの身柄を拘束。無事、本部長バーバラ・ゴードン率いる市警に引き渡した。
「あなたがブルースの新しいアシスタントなのね?……あまり首を突っ込まないことよ」
 あからさまに訝しむ視線を向けてくるバーバラの厳しい態度に、テリーは戸惑いを隠せなかった。



  • テリーの精神錯乱ヴィジョン、お買い物レース(笑)中、「見事な買いっぷり!」と言われて歯をむき出しにして勇んでいる彼は、まさしくサルそのものでした……やっべーよ、テレンス。
#10 Shriek / 魔性の響 --- 14 Mar 99

 WPコーポレーションのCEOデレク・パワーズがスポンサーを務める、音響研究技師シュリーヴは、サウンド・ジェネレータを完成させた。それを使えば、音波を操り、どんなものでも破壊することができるという。
 そのあまり実用的でない研究成果の使い途を考えていたパワーズは、邪魔者を排除するため、一計を講じた。

 その頃、WPコーポレーションの理事会では、ゴッサム旧市街区の取り壊しが協議されていた。有用性のない旧市街区の再開発は、極めて有意義な事業である。しかし、市街区の保護を主張し、頑として異を唱えるブルースは、株主の総意を求め、総会の開催を提案する。
 その後、旧市街区を視察していたブルースは、パワーズによって差し向けられたシュリーヴに、古いビルの倒壊に巻き込まれて抹殺されそうになるが、人間には感知できない音に気付いた愛犬エースによって辛うじて一命を取り留めた。
 怪我を負ったブルースは、入院。テリーは単独で、サウンドスーツを纏う怪人の調査に乗り出す。ブルースの襲われた現場で拾ったサウンド・ジェネレータ部位から、制作者がシュリーヴ音響研究所であることを突き止め、ピザショップのデリバリーを装って潜入。ところが、不用意な発言から窮地に陥る。
 一方、入院してからというものブルースの頭蓋には謎の幻聴が響き続け、ついには精神病棟へ移されてしまった。

 一連の事件から黒幕がパワーズだと悟ったバットマンは、病院からブルースを救出し、幻聴の正体がシュリーヴが作ったサウンド・ファイバーであることを暴く。
 怪人シュリークの行方を追うバットマンは、サウンド・スーツによって音を自在に操る未知の敵を相手になすすべもなかったが、エースがスーツの一部を破壊したことにより形勢逆転。操った音のすべてを一身に受けたシュリークは、聴覚障害を起こして悶絶した。

 後日行われた
WPコーポレーション株主総会では、議題の再開発案は否決され、旧市街区の維持は保たれた。
「よく謎の声が、幻聴だってわかったね?」
「そりゃァそうだ。私は自分のことを『ブルース』なんて呼びやしない」
「ふゥん……ナルホド。でもそれって、今はオレの名前じゃない?」
「私の深層意識とでも相談してくれ」
「!?」(←まだ認められてないってコト?!)



  • そもそもシュリーヴに資金提供なんぞしていたパワーズ社長、謎。
    ビルを壊すのに、サウンド・スーツはもってこいでっせ!と売り込むような将来性のないこと言ってる音響技師になぞ、あのガメツイ社長がいつまでもスポンサーしてるわけないと思うんだけどナ〜。
#11 A Touch of Curare / 暗殺者キュラレ --- 15 May 99

 市警本部長バーバラ・ゴードンとその夫である検事サム・ヤングが、街中で刺客に襲われた。それを退けたバットマンが目にしたのは、中東風の装束をまとい、長剣を構えた、軽やかな身のこなしの女の姿…暗殺者キュラレ
 バットケーブでキュラレの正体を調べていたブルースとテリーの背後から、バーバラが姿を現す。秘密のケーブ内へ入ってきたバーバラの姿にテリーは驚愕するが、彼女こそ、かつてバットマンらと共に活躍したバットガールだった。だがその態度は、これまで見てきたものと同様に冷淡かつ攻撃的で、「警察の仕事の邪魔をしないで」の一点張り。そして暗殺者のターゲットは、法廷で武器商人を有罪に追いつめることの出来る検事、夫のサムであることを説明する。

 裁判前夜。バーバラの自宅には厳重な警戒が敷かれ、当然サムを狙って現れるはずのキュラレ捕獲のため罠を仕掛けていたが、バットマンの登場で目論見は大失敗。
 意気消沈したテリーが帰宅すると、自宅前で待ち構えていたバーバラにまた警察の邪魔をしたと叱責され、再び繰り返すようなことがあれば逮捕も厭わないと恫喝される。
 頑ななまでにバットマンの自警活動を認めようとしないバーバラは、若き日の自分のようにブルースを信じ協力を惜しまない少年に、これまでのブルースとの経緯をようやく語り始めた。
「みんな辞めてしまったのに、あの人はずっとバットマンをやめようとしない孤独な人」

 裁判当日。もはや彼女の仕事の邪魔はするまいと心を決めたテリーだったが、サムを警護する以上バーバラの身にも危険が迫っているとブルースに諭され、慌てて二人の乗った列車の警護に向かう。
 すでにキュラレによって車両は、脱線させられ、夫妻は精肉工場に逃げ込んでいた。二人を救うべくキュラレと戦うバットマンは、彼女の鮮やかな剣さばきに翻弄され、精肉カッター間近まで追いつめられてしまう。その時、バーバラの放ったバットラングの一閃がキュラレの長剣を弾き飛ばし、形勢は逆転。裁判はサムによって無事、勝訴に終わった。



  • あのバーブの旦那になれる男性っていったい…と思ってたら、サムって温厚ないいおじさん。常に、のほ〜としていて、好感が持てます。声はマスターアジアだし(死)
#12 Disappearing Inque / 滴に消えた女 --- 8 May 99

 ブルースはどうして、バットマンを引退したのか? どんな事情があったんだろう?
 一緒に自警活動を始めてから早6カ月も経って、今なお謎の多いボスに疑問を抱くテリー。

 そんな時、ケーブに監視用アラームが鳴り響き、極低温保管所で冷凍保存されていた液体怪人インクが逃亡したことを知らせた。施設の温度調節装置が何者かに破壊されたのだ。
 現場に急行するバットマンは、再びインクを凍結させるためフリーズ・ガンを構えるが、あえなく破壊されてしまう。武器を失ったバットマンはひとまず撤退。
 ブルースがバットスーツに付着していたインクの細胞組成を分析すると、彼女のDNAは一度冷凍されたことによって変質しており、もはや人型形態を保てなくなっていた。
 そんな不安定体の彼女が向かう先は、細胞を安定化させるための薬品を製造している製薬会社だ。先回りしたバットマンは、安定剤を盗み出すインクを捕捉する。しかし、彼女には仲間がいた。その仲間とは、インクの強力な力に憧れ、保管施設から彼女を解放した施設職員アーロン。彼の不意打ちを食らって、バットマンは捕獲されてしまう。
 インクはバットマンに対し復讐心を持っていたが、それは彼一人にとどまらない。もう一人、いる。あの老人---ブルースも一緒に葬り去ろうと、捕らえたバットマンを餌に、無人のゴッサム・ヒルズ・アリーナへおびき寄せる。
 拘束されたバットマンの目の前で、初代バットマンのエキソスーツを装着したブルースがインクと対峙。
 そこへ安定剤の影響で半液体怪人に変貌したアーロンが乱入。
 内輪モメを起こしている連中の隙を突いて、バットマンはアリーナ天井の窓ガラスを打ち破ることで、おびただしい量の雨をインクの頭上から浴びせかけた。  
 大量の雨を浴びたインクはなす術もなく溶解し、下水道へと呑み込まれていった……。



  • 今回は、テリーがかなり試されたエピソード。
    おまえならどう思う? おまえならどうする? なあんてボスに連発されて、困惑したテリーは眉が八の字。その影響か、妙にハッスルして、ケーブの中をあれこれ警備強化のために奔走している姿はケナゲ……。
 
#13 Ascension / ちぎれた絆 --- 22 May 99

 化学薬品工場を襲ったブライト率いる強盗団。
 ブライトの放つ強力な放射線にバットマンは手も足も出せないまま、工場は崩壊。火災に乗じて一団には逃げられてしまう。しかし現場で拾った遺留品の中からWPの社員証を発見し、ブライトとパワーズの因果関係を見出すバットマン。

 高分子化合物を強奪し損ねたブライト=パワーズは、身を覆う人工皮膚の原料が底を突くことに常に焦燥を覚え、快方に向かう気配のない異形の体にやり場のない苛立ちを抱える悶々とした日々を送っていた。やむなく、社会の表舞台から退くことを考え、息子パクストンを自らの代役に据えることで社会的地位の維持を目論む。
 ところが幼い頃から父に疎んじられ、WPコーポレーション海外支社に追いやられていたパクストンは、これを快諾せず、むしろこの好機にパワーズを亡き者にし、会社を掌中に収めることを画策する。
 TV中継も入ったWPコーポレーション株主理事会の席にて健康上の不調を理由に引退を表明し、その椅子をパクストンに譲り渡すことを公言するパワーズ。ところが、会場にWPコーポレーションの関連工場によって河を汚染されたと訴える市民団体が現れる。不快な闖入者に対し怒りを露わにしたパワーズは、高ぶった感情のままに放射能を炸裂させ、身を包む人工皮膚をも吹き飛ばしてしまった。これには居合わせた者だけでなく、TV中継を見ていたテリーも仰天する。
 怪人の出現に混乱する会場に飛び込んだバットマンは、ブライト化したパワーズを捕獲しようとするが、暴走する彼には手が付けられずに取り逃がした。

 後日、パワーズの行方を報じるニュース番組を見ていたブルースとテリーは、ブライトへの変貌について、神経ガスの密輸を阻止した事件(#2)のことを思い出していた。そこで、師から復讐を考えるなと釘を刺されるテリー。
 そんな折、バットシグナルという古風な手段によって、パクストンに呼び出されたバットマンは、父を治療するためにと請われブライトの捜索を引き受ける。その取引の裏には、バットマンともどもブライトを葬り去ろうとするパクストンの陰謀と、親子共々獄中へ送ろうとするバットマンの思惑が潜んでいた。
 行き場を失ったブライトは、自らの放射線を隠蔽できる原子力潜水艦の中に身を隠していたが、バットマンとパクストンに追い詰められてしまう。
 特殊ワイヤーネットでブライトの放射線を封じ込めたパクストンは、勝ち誇ったようにその残忍な素顔を顕わす。そして瀕死のブライトに憎悪を叩きつける彼を止めようとするバットマンに、何者かが発砲した。理事会に乱入してきた市民団体! つまり、あの騒ぎはパクストンの狂言であり、この事態も紛れもない彼の罠であったということを悟るバットマン。
 連中の銃を叩き落としたはずみに、銃弾はブライトを捕らえた機械を撃ち抜き、あろうことか彼は再生してしまう。四方八方に溢れ出す高レベルの放射線は、あたり構わずに撒き散らされ、潜水艦のブリッジさえも破壊。
 一足早くパクストンは逃れるが、バットマンは自滅していくブライトを為すすべもなく見守っていた。
 これが自分の望んでいた、父の仇の最期なのか……。
 沈没寸前の船体から辛うじて脱出したバットマンは、暗く深い水底に沈みゆく潜水艦を複雑な気持ちのまま眺めるのだった。



  • コレで1stシーズン終了。ブライト戦は、結局通算2回しかなかったワケで、あまりバットマン対ブライト的な印象は強くナイ。
    しかもブライトって、以後再登場しなかったし…あまり愛されてなかった悪役だネ。

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